客観的検証を行い、オリンピック・パラリンピックの再延期を求める
令和3年5月13日
国民民主党
東京オリンピックまで約70日となった現在、組織委員会、東京都、国、そして国際オリンピック委員会(IOC)・国際パラリンピック委員会(IPC)は、観客の入場を制限した形での大会開催を前提に準備を進めているが、昨年3月に延期を決めた際に安倍前総理が述べた「完全な形」、すなわち「規模は縮小せず、観客にも一緒に感動を味わって いただく」形での開催が望ましい。「不完全な形」で本年7月の開催を強行するのでなく、いつなら「完全な形」で開催できるのか、また「完全な形」で開催するための客観的基準は何なのか、国民の命と健康を守ることを最優先に、以下の3つの観点から検証・判断することを求める。
【東京五輪開催の3条件】
1 コロナで逼迫する医療提供体制への負担
2 追加の国民負担(税金による穴埋めの有無)
3 実効性のある感染症対策、水際対策
政府は、医療関係者を含む関係者をメンバーとした第三者機関を速やかに設置し、上記 3つの観点から、予定どおり7月に開催できるかどうかを今月中に検証し、困難だと判断した場合には、再延期すべきである。
再延期の幅については、今後、必要なコロナワクチンが供給され、国民の多数が接種している状態になれば、来年には感染が抑え込まれ、医療提供体制への負荷も軽くなっていると期待されること、またアスリートファーストの観点から酷暑を避けるために、来年秋に開催することを提案する。
なお、開催の判断は最終的にはIOCの権限だが、開催都市契約の第71条には「予測できない困難が生じた場合、組織委員会は合理的な変更を考慮するようIOCに要求できる」と規定されており、昨年延期を決定したように我が国にも実質的な権限はある。日本人の命と安全や納税者負担に責任を持ち、組織委員会の顧問会議議長でもある菅総理は、「合理的な変更」として再延期をIOCに要求すべきである。